おはようございます!
Happyアドバイザー の KIYOです。
上級心理カウンセラー マインドフルネススペシャリスト フラワーアレンジメント講師 数秘術鑑定士 で幸せをお届けしております♡
先日、河原に落ちていた、
桜の木の丸太を、
なにかに活用できないかと、
えっさらほいさ、と
担いで帰ってきました。
そして、一昨日、
大工さんのお家にお邪魔した際に、
念願の桜の靴ベラ立てを作りました。
大工さん曰く、
桜の木は、乾けば乾くほど固くなり、
桜細工は一生ものの良いものになるとのことでした。
大工さんの道具を借りて、
私は一生ものの、素敵な靴ベラ立てを
作ることが出来ました。
そして、作っている時、
ドリルで穴をあけている時、
出てくる気の削りカスが、
ほのかにピンク色、桜色であることに
気付きました。
「あ、この話、聞いたことある」
そう、思って調べると、
中学校2年生の国語の教材で
使用されていた、
大岡信さんの『言葉の力』であることが、
分かりました。
この素晴らしい短文を皆さんにもシェアしたく、
以下に引用しますね。
大岡信『言葉の力』
人はよく美しい言葉、正しい言葉について語る。しかし、私たちが用いる言葉のどれをとってみても、単独にそれだけで美しいと決まっている言葉、正しいと決まっている言葉はない。ある人があるとき発した言葉がどんなに美しかったとしても、別の人がそれを用いたとき同じように美しいとは限らない。それは、言葉というものの本質が、口先だけのもの、語彙だけのものだはなくて、それを発している人間全体の世界をいやおうなしに背負ってしまうところにあるからである。人間全体が、ささやかな言葉の一つ一つに反映してしまうからである。
京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんの仕事場で話していたおり、志村さんがなんとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を見せてくれた。そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった。その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。
「この色は何から取り出したんですか」
「桜からです」
と志村さんは答えた。素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて色を取り出したものだろうと思った。実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。あの黒っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。志村さんは続いてこう教えてくれた。この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、こんな上気したような、えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。
私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐような不思議な感じにおそわれた。春先、間もなく花となって咲き出でようとしている桜の木が、花びらだけでなく、木全体で懸命になって最上のピンクの色になろうとしている姿が、私の脳裡にゆらめいたからである。花びらのピンクは幹のピンクであり、樹皮のピンクであり、樹液のピンクであった。桜は全身で春のピンクに色づいていて、花びらはいわばそれらのピンクが、ほんの先端だけ姿を出したものにすぎなかった。
考えてみればこれはまさにそのとおりで、木全体の一刻も休むことのない活動の精髄が、春という時節に桜の花びらという一つの現象になるにすぎないのだった。しかしわれわれの限られた視野の中では、桜の花びらに現れ出たピンクしか見えない。たまたま志村さんのような人がそれを樹木全身の色として見せてくれると、はっと驚く。
このように見てくれば、これは言葉の世界での出来事と同じことではないかという気がする。言葉の一語一語は桜の花びら一枚一枚だといっていい。一見したところぜんぜん別の色をしているが、しかし、本当は全身でその花びらの色を生み出している大きな幹、それを、その一語一語の花びらが背後に背負っているのである。そういうことを念頭におきながら、言葉というものを考える必要があるのではなかろうか。そういう態度をもって言葉の中で生きていこうとするとき、一語一語のささやかな言葉の、ささやかさそのものの大きな意味が実感されてくるのではなかろうか。美しい言葉、正しい言葉というものも、そのときはじめて私たちの身近なものになるだろう。
(中学校『国語2』、光村図書出版)
いかがでしたでしょうか。
私たちはで見えるものからの
情報から感情や学びを得ることが多いですが、
目で見えるものの、その下には、
その見えるものを表現するための、
大きな力、そして時間があるのですね。
人間も同じですよね。
表面だけで、判断するのではなく、
その人の心まで感じて、
良い関係を築けると良いですね。
それでは、今日も 幸せを感じられる一日、 心身共に健やかな一日を お過ごしください。
Happyアドバイザー KIYO https://lemongrasskiyo.net/
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